REPORT 現地レポート

東京大会[GAME2]日本 78-77 韓国「試合の勝ち負けは絶対にガードの責任──ここでこんな終わり方してはダメだな」MVP・田中こころ選手

2026年8月15日

 『三井不動産カップ2026(東京大会)』(以下 三井不動産カップ)は2日目。ともに『FIBA 女子バスケットボール ワールドカップ 2026』(9月4日ドイツ・ベルリンにて開幕/以下 ワールドカップ)へ出場する韓国を迎えた今年最後の三井不動産カップ。GAME1とは打って変わり、第1クォーターは9-21と韓国に11点差を許してはじまったGAME2は、女子日本代表にとって苦しい展開となりました。

 日本が韓国にリードしたのは40分間の中でたった15秒だけ。第4クォーター残り4分58秒、田中こころ選手(ENEOSサンフラワーズ)がフリースローを2本決め、68-67とこの試合ではじめてリードします。しかし、その15秒後にはゲームハイの20点を挙げた#3 カン・イスル選手の活躍でふたたび逆転されます。刻々と時間が減っていく中、「自分がやらなければいけない気持ちがありました」と田中選手はギアを上げ、約9千人の地鳴りのような歓声に応えます。

「試合の勝ち負けは絶対にガードの責任だと思っているので、ただただここでこんな終わり方してはダメだなと思っていました。ガードの私がヘッドダウンをしたら、みんなも思いきってプレーできないとも思ったので、それがプレーとして出た部分があったのではないかと思います」(田中選手)

 練習してきた日本のスタイルを信じ、最後まであきらめずに戦った結果、残り1秒、田中選手が逆転の3ポイントシュートがネットを揺らし、78-77。ブザービーターでの劇的な逆転勝利を決めた田中選手が、5月の神奈川大会、昨年のデビュー戦となった愛知大会に続き、3度目の三井不動産カップMVPに輝きました。

 コーリー・ゲインズヘッドコーチは18点差でGAME1を勝利した後、「明日の試合はかなりタフになる」と不安を抱いて眠りに落ちたそうです。そのGAME1では後半の入り方に課題が露呈し、タフなGAME2こそ試合開始から気持ちもプレーも強く臨まなければいけないことを伝えていました。しかし、「余裕を与えて相手がやりたいプレーをすべてさせてしまった」とゲインズヘッドコーチは述べ、一番の反省点だったと振り返ります。それでも最後まであきらめず、日本のスタイルを貫いて逆転勝利をつかみ、勝って学ぶ機会を得たことを評価しました。

「韓国のようなレベルの高いチームに勝てたこと、最後まであきらめずに戦った選手たちを誇りに思います。シュートが入るかどうかだけではなく、最後まで日本のスタイルであるペース&スペースを信じて戦ってくれことが一番大事なことです。一発のプレーで試合の悪い流れを取り戻すことはできません。少しずつタフな時間を耐え続けることで流れを取り返すことができる。それを体現してくれました」(ゲインズヘッドコーチ)

 田中選手とともに18点を挙げ、GAME1の13点に続いてチーム最多得点で引っ張った馬瓜ステファニー選手(Meins Avenida)。ベンチスタートの馬瓜選手は、「どんな流れでも自分の役割は決まっており、そこで相手にダメージを与えられるように心がけてコートに入っています。苦しい時間帯こそ、自分がやるぞと思っていました」と心強い言葉通り、この試合で足りなかった強い気持ちとアグレッシブなプレーでチームを牽引します。現在はスペインで活躍する馬瓜選手は、「勝てたことは良かったですが、このような試合をしていてはもっとレベルの高い相手と対戦したときに苦しくなってしまいます。しっかりとこの結果を受け止めて、ワールドカップまでに修正をしていきです」と話し、日常から体感している世界基準へ引き上げます。

 2試合とも先発を任された東藤なな子選手(トヨタ紡織 サンシャインラビッツ)は、東京2020オリンピックでトム・ホーバス元ヘッドコーチに見出されたディフェンスで我満の時間帯を凌ぎます。GAME1とは見違えるほど「韓国のプレッシャーが強く、エネルギーも自分たちより勝っていたので、ちょっと迷ってしまった部分が何回かありました。その中で、後半は自分の役割を遂行しようと思って臨み、活躍も含めてアピールできて良かったです」と自信がうかがえます。

 ディフェンスやドライブだけではなく、「役割としてハンドラーもするなど引き出しを多く持つことで、チームが困った時に助けになると思っていますし、そこは意識しています」という東藤選手は期待のオールラウンダー。三井不動産カップでは1度も成功した姿を見せられませんでしたが、練習中は3ポイントシュートも安定さを増しています。同じように、今大会に出場した女子日本代表候補選手たちは、合宿中に磨いてきた長所や役割を披露する機会となりました。ワールドカップへ向けた選考であり、選手同士の組み合わせも試した三井不動産カップを経て、ワールドカップに挑む12名が決まります。

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